９月の表紙
御油の松並木 愛知県 豊川市 御油−音羽 |
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旧東海道の松並木であり、国指定天然記念物としては唯一残った存在といえる。1959年の伊勢湾台風で大被害を受けたものの、1980年頃までは大木が林立し、松の木陰に覆われた旧街道は古い時代を感じさせてくれた。ところが、1985年頃、周辺に松枯病の被害が押し寄せ、岡崎から豊川にかけて残っていた松並木をことごとく全滅させ、周囲の山林、神社仏閣の松も殆どが枯死、消失していった。特に音羽中学校前の最大木（周囲4.3m)が1987年に枯死するなど、その被害は目を覆うばかりであった。御油から音羽に掛けては天然記念物の指定区間なので、樹幹注入等の対策が成されたのであるが、被害が出てからの対策であったので、かなりの数が失われてしまった。
 
1987年当時、周囲3m以上の株は7株残存していたが今頃はどうなっていることか。現在は補植された若木が中心となっていてかっての面影は無く、初代の株も一本も残っていない。西端の最大木は周囲3.41m、樹高30m近くあるが、落雷（樹幹注入傷害）のため極端に樹勢が衰えてしまった。治療は行われている様であるが、先行きは不安である。なお、この木の近くの複数の同大伐根年輪は300ちょうど（1986年調査）であった。
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