１２月の表紙
小田原城本丸の巨松 神奈川県 小田原城址 |
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幹周囲5.09m、樹高30m、枝張り21m
小田原城内には大木が多く、周囲4.5mのイヌマキなどは一見の価値がある。また、松の大木も何本か見られる（幹周4.25m、枝張り33mに及ぶものもある）のだが、その中でも１本飛び抜けて大きな黒松が本丸跡に聳える。樹形も他の松たちと一線を画していて遠目にもすぐそれと知れる大木である。見事な直幹が斜めに立ち上がり、上空で傘上の枝を拡げているが、枝振りはだいぶ寂しくなっている。雷にでもやられたのか幹には大きな傷が走り、幹の腐朽が進んでいる（現在は治療＝目隠しが施されているが）。根張りの部分は獣舎の建設や踏圧による被害もあり、生育条件は決して良くない。城内には松枯病の被害が見られる様だが、天保年間（１８３０〜１８４４）に書かれた「雑中雑志」で七本松と記された巨松群の唯一の生き残りであり、大磯の大松が枯死した今、神奈川県内はおろか全国的にも大変貴重な存在であるので、何とか守り抜いてほしいものである。
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