４月の表紙
添市の笠松 岩手県 花巻市 矢沢第７地割 添市 |
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幹周2.99ｍ、樹高5ｍ、枝張り17ｍ
東北新幹線のすぐ西側、新花巻駅の北1㎞くらいの田畑の中にぽつんと存在している。能舞台の背後に描かれる様な見事な樹形であり、おそらく庭園木として長らく育成されてきたものだと思っていたが、近づいてみると、かって直立していたものが倒壊したものの、そのまま生育を続けた結果、見事な笠松状の樹形になったものであった。故に根元付近は樽をつぶしたように折れ曲がり、内部は空洞化していた。倒れた時に下側になった枝は殆ど失ったと見えるが、残った枝が最初からそうであったように、自然な樹冠を再生していて樹勢も良好である。とにかく、樹自体も美しいし、田畑の中に孤立している風景としても非常に美しいものであった。地元の有志が毎年手入れをされてるとのことで、台風等、物理的な被害が無ければこのまま順調に生育していくのではないか。2009
と思っていたのであるが、この笠松のある地域までマツ材線虫の被害が及ぶ事態となり、既に感染した疑いがあるという。樹幹注入が非常に難しい樹であったので、対策が後手に回ってしまったのだろう。とはいえ、マツ材線虫病の被害の広がりは予想以上であり、「被害は及ぶかもしれないが、徐々にであろうからしばらくは大丈夫であろう。」と考えていた自分はかなり甘かった。岩手県でも髙標高地帯と、太平洋岸の北部以外はどこでも危険地帯と考えた方が良いのだろう。
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