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1998年（平成10年）、全国巨樹・巨木林の会が行った環境庁調査によると、高さ21メートル、幹周り5.61メートル、枝張り東西24メートル、南北20メートルとのこと。
奧大野は名の通り一宇村でも最奧の部分にあり、主要道から細い道を登り切った最後の民家から、徒歩で１５分くらいの尾根にある。主幹は一本であるが２本の樹幹が絡み合っているようにも見え、四方に伸び広がった枝張りがドーム状の空間を形作っていて、さながらアカマツの枝が囲んで作った小宇宙のようである。うねりくる赤い樹肌の広がる空間に虜になって、ずっとここに留まっていたいと思った。殆ど傷のない完全な枝振りは本当に美しい。幾重にも重なるような枝張りの、全ての枝先が生きているようで、反球形の樹冠は周囲の樹林からポンと抜きでていて遠くからも、特別な存在であることが判る。根元付近の細くなった部分で周囲5.36mあり、上部の双幹に分かれる部分のボリュームはさらに上である。これほどのアカマツらしいアカマツ大木は、「羽茂の大松」以来の感動であり、今後、これ以上のアカマツには出会えないかもしれない。
気になるのは、山側の大きい枝を樹幹ぎりぎりで切断してあることで、みすみす腐朽の入り口を作っているようである。本当は自然に枯れ落ちるのを待つのが良いのだが、やむ終えない場合は、切断面の処理を完全にしなければと思う。さらに、近くにはザイセンチュウの被害と思われる枯れ木があって、大変危険な状態にある。対策はなにかしているのだろうか？2003
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